低反発タイプや高反発タイプなど、さまざまな種類が展開されている「枕」。中材や形状、サイズによって寝心地が大きく異なるため、どれを選べばよいか迷う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、おすすめの枕をタイプ別にご紹介します。選び方もあわせて解説しているので、購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
枕で睡眠の質が変わるのは本当?

快適な睡眠環境を整えるためには、身体に負担がかかりにくい寝姿勢を保てる枕を利用することが大切。理想的な寝姿勢は、自然にまっすぐ立ったときと同様の状態といわれています。頭から首筋、肩口にかけてはマットレスとの間にすき間が生じてしまうので、枕ですき間を埋めることが重要です。
枕の選び方
枕の理想の高さ
仰向けと横向きそれぞれの適した高さ

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理想的な寝姿勢を保つうえで、枕の高さは重要なポイント。頸椎から背骨にかけて、仰向けの場合はゆるやかなS字カーブ、横向きの場合はまっすぐなラインをキープできる高さの枕がおすすめです。また、肩幅の分、横向きで寝るときの方がより高さが必要。仰向けで寝る際よりも、2cmほど高い枕が適しています。仰向けでも横向きでも寝ることが多い方は、中央部分が低く、両サイド部分が高い枕を選んでみてください。
呼吸のしやすさ

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枕の高さが合っていない場合、首が曲がってしまい不自然な寝姿勢になります。そのままの状態で寝続けると、気道が圧迫されて狭くなり、呼吸がしにくくなってしまうので要注意です。仰向けで寝る際は、自然に後頭部が下がってあごが上がる枕だと気道を確保しやすいのがポイント。つまり、頭を支える部分が低く、首が当たる部分が高い枕がおすすめです。
高さ調節ができるかもチェックしよう

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自分に合う枕の高さがわからない場合は、高さを調節できるモノがおすすめです。枕によっては、パイプやそばがらなどの中材の量を変えたり、調節シートを入れたりすることで、高さを変えられます。高さを変更するときは、一気に変えるのではなく、1cmほどずつ微調整してみてください。理想的な寝姿勢をキープできる高さを見つけやすいのがポイントです。
寝返りのしやすさ

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枕を選ぶときには、寝返りのしやすさも考慮することが重要です。長時間同じ姿勢が続かないように寝返りすることで、身体にかかる負担を抑えられます。また、掛け布団などにこもった空気を入れ替える役割も果たすのがポイント。空気が入れ替わることにより、快適な温度や湿度を保ちやすくなります。寝返りしやすい枕は、自然にまっすぐ立ったときと同じ寝姿勢を保てる高さのモノ。さらに、頭が沈み込みすぎない適度な硬さのモノや、頭3つ分程度の横幅があるモノもおすすめです。
中材の素材とそれぞれの特徴
羽毛(ダウン)

フェザーが混ざったモノもラインナップされていますが、ダウンの使用率が51%以上だと羽毛枕に分類されます。ダウンの割合が多いほど、軽くてふんわりとした寝心地です。
なお、羽毛を使った枕はデリケートなので、基本的に水洗いができません。洗濯しなくても済むように、枕カバーを使用してみてください。また、月に2~3回ほど、風通しのよいところで陰干ししましょう。
パイプ

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パイプは、ストローを短く切ったような形状の素材。中が空洞なので通気性に優れており、湿気などがこもりにくく、カビやダニが発生しにくいのが特徴です。汚れが気になった場合は水洗いができるため、清潔に保てます。また、耐久性に優れているので、ほかの素材に比べて寿命が長いのも魅力。買い替えの頻度を減らしたい方にもおすすめです。さらに、パイプを出し入れすることで、高さを変えられる枕も多く展開されています。なお、硬さは、パイプの素材や大きさによって変わるのがポイントです。
ウレタンフォーム

頭の形や重さに合わせてフィットしやすいのもポイント。仰向けや横向きにかかわらず、頭を包み込む枕を求める方におすすめの素材です。ただし、通気性がやや劣るため、蒸れやすい点には留意しておきましょう。
高反発ウレタンフォームは、弾力性に優れています。押し戻す力が働くので、余分な力を入れずに寝返りしやすいのがメリット。また、感触は硬めです。なお、ウレタンフォームは洗ったり、天日干ししたりできないため、お手入れの際は陰干ししましょう。
そばがら

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そばがらは、そばの実の殻を洗浄・乾燥させた素材で、日本では昔から使われています。立体形状のそばがらは、間にすき間ができるため、通気性がよく、熱や湿気を逃しやすいのが特徴です。粒同士が引っかかりやすいので、寝返りをした際にも高さが変わりにくく頭が安定します。そばがらを使った枕は硬めの感触で、しっかりとした寝心地が好きな方におすすめです。
ただし、湿気がこもるとカビが生えたり、虫が発生したりするため、定期的に天日干しをして乾燥させることが大切。また、使用しているうちに、そばがらが潰れてかさが減ってしまうので、補充する必要があります。
ムアツ

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ムアツとは、特殊ウレタンフォームに凹凸加工を施した素材です。点で頭を支えるため、重さをバランスよく分散させます。圧迫感が軽減されるので、首などへの負担を抑えやすいのがメリット。無理なく頭を支える枕を探している方におすすめの素材です。また、へこんでいる部分は空気が通りやすく、枕の中に湿気をためにくいのもポイント。季節を問わず快適に利用できます。
ファイバー

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ファイバーは、ポリエチレン製の細い繊維を絡み合わせた素材です。適度に反発力があるため、頭がしっかり支えられ、自然に寝返りできます。また、通気性に優れているので、熱や湿気がこもりにくいのもポイント。快適な温度に保ったり、カビの発生を抑えたりするのがメリットです。さらに、シャワーで水洗いできます。自宅で簡単にお手入れできる枕が欲しい方は、ファイバーを採用したモノを選ぶのがおすすめです。
低反発と高反発の違いは?

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低反発の枕は、頭の形に沿ってふんわりと沈み込みます。柔軟にフィットするため、仰向けや横向きなどにかかわらず頭の重さを均等に分散しやすいのがメリット。一部分に負荷が集中するのを防ぐ枕を求める方におすすめです。ただし、押し戻す力が弱いので、寝返りをしにくいのがデメリット。また、高反発枕よりも耐久性に劣る傾向にあります。一方、高反発の枕は沈み込みすぎず、しっかり頭や首を支えるのが特徴です。さらに、反発力に優れていることで、スムーズに寝返りできます。低反発枕と比較するとフィット感には劣りますが、へたりにくく耐久性が高いのが魅力です。長持ちしやすい枕を探している方に適しています。
自分の身体のサイズに合ったモノを選ぼう

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枕のサイズは、自分の身体の大きさを考慮して選んでみてください。以前は主流だった35×50cmの枕は、現在においては小さめのサイズ。コンパクトなので、子供や小柄な方が利用する際におすすめです。43×63cmのアイテムは日本で展開されている標準的なサイズで、男女ともに兼用できます。50×70cmの枕は一回り大きく、大柄な方でもゆったり利用可能です。横幅に余裕があるため、包まれるような寝心地が好みの方や、スムーズに寝返りしたい方にも適しています。
さらに大きい43×120cmの枕は、2人でも使用できるサイズ。枕をパートナーと共有したい方は、ぜひチェックしてみてください。
形状で選ぶ
標準的な「長方形型」

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長方形型の枕は、昔からある最も標準的な形状です。製品のバリエーションが枕のなかでも豊富なため、選択肢が広がります。自分好みの高さ・大きさ・素材・デザインの枕を探しやすいのがメリットです。さまざまな体型にフィットしやすいのもポイント。さらに、頭を転がしやすいので、スムーズに寝返りしたい方にもおすすめの形状です。
首にフィットして安定させる「ウェーブ型」

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ウェーブ型の枕は、横から見ると波のように高さに差があります。特に、低反発素材を採用した製品に多いのが特徴です。頭と首のカーブに合わせてフィットするので、頭が過度に沈み込みすぎるのを抑えられます。安定した自然な寝姿勢を保ちたい方におすすめです。また、製品によっては、前後で高さが異なります。向きによって高さを変えられるため、日によって使い分けられるのがメリットです。
仰向け・横向き両方に対応した「くぼみ型」

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くぼみ型の枕は、中央部分が低く、両サイドが高い形状を採用しています。仰向けで寝るときは、くぼんでいる低い部分に後頭部をのせることで、頭と首がしっかり支えられるのが特徴です。横向きで寝るときは、両サイドの高い部分に頭や首をのせることで、適切な寝姿勢を保ちやすいのがメリット。オーダーメイド枕よりも手軽に理想的な寝心地を実現したい方におすすめの形状です。
独自の形状をした特殊なタイプも

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枕のなかには、独自形状の特殊なタイプも展開されています。例えば、奥行があり背中まで支える枕は、頭部から肩中にかけて生じやすいすき間を埋めるのが特徴。体圧をしっかり分散するので、肩や首の負担を軽減しやすいのが魅力です。ほかにも、横向きで寝ることが多い方におすすめの立体形状の枕もラインナップされています。
衛生面で選ぶ
通気性

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人は一晩にコップ1杯分ほどの寝汗をかくといわれており、睡眠中には枕が蒸れやすくなります。通気性がよい枕は、内部の熱や湿気を逃しやすいのがメリット。枕が蒸れにくいことで、カビなどが発生してしまうのを防ぎます。通気性が高い枕を使用したい方は、中材に羽毛・パイプ・そばがら・ムアツ・ファイバーを採用している枕を選ぶのがおすすめです。
防臭・抗菌加工の有無

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枕は、使用していくうちに寝汗や皮脂などの汚れが付着します。汚れたまま放置すると雑菌が繁殖し、気になるニオイの発生につながってしまうのが注意点です。カバーや中材に防臭・抗菌加工を施したモノは、気になるニオイの発生を抑えられるのが魅力。快適に枕を使い続けたい方は、防臭・抗菌加工の有無もあわせてチェックしておきましょう。
洗濯できるかもチェック

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枕を衛生的に使い続けるためには、自宅で簡単に洗濯できるモノを選んでみてください。多くの製品は、カバーを取り外して洗濯機で洗えます。また、中材まで水洗いできる枕も展開。中材までしっかり洗いたい方は、パイプとファイバーを使った製品がおすすめです。